コンクリート打放しの家の周りが池になっています。
アプローチは石張りになっており、水面よりわずかに高いだけで、まるで水の中を歩いているような錯覚に陥ります。
このアプローチを進んでいくと階段があり、それを上ると、今度はコンクリート製の橋となったアプローチが2階にある玄関へと繋がっています。
家の周りにある池では毎時11トンの水を循環させ、ステリライザーをポンプに装着しています。これについては設計当初からの参画ではなかったため、ポンプの能力を落とさざるを得ませんでした。毎時50トンクラスのポンプを使用すれば、これより更に見事な流れを表現できたと思います。
中庭に版築塀(はんちく)を造りました。土でできておりますが、その土の表面を磨くことで鈍く光を反射しております。ただの土の塀ですが、雨にも崩れません。
極めて高度な技術を要する塀で、日本中で造られているもののほとんどがセメントを使った稚拙なものばかりです。詳しくはWikipediaの版築についてのページをご覧下さい。
また、社長の井出のブログ「手抜き工事の話・・・・・」にも詳しく「版築」のことを書いておりますのでそれも併せてお読みいただくと、日本中でいいかげんな「版築」が造られていることがご理解頂けます。
弊社はあまり合成樹脂の塗り壁の施工は致しません。
基本的に塗り壁はその施工においてかなり手抜きができるうえ、門外漢の方はすぐにはそれがわかりません。施工業者にとっては利益率が高いので日本中手抜き工事の塗り壁が大流行です。加えて、耐久性にも劣る商材でもありますので、どうしてもと言われるお客様に以外には弊社はお勧め致しません。
丁寧な塗り壁施工と、そうでない施工がどれほど違うのか、興味がおありの方はお問い合わせ下さい。
いいかげんな施工では、トータルコストは結局のところ最も高くつきやすい商材だと思います。
陶製のボールから流れ出る水を地下に受け、音を響かせる工夫を凝らしました。このような形の水琴窟は、恐らく日本で初めての試みだと思います。
顔料(岩石由来です)を混ぜた花崗岩風化土と砂を15ミリの厚さで塗りこみ、追っかけ技法で掻き落としをしました。
何度もテストを重ね、完成にあたり下地の養生に三ヶ月以上をかけた作品です。
薄い土壁なのに雨風に耐えるように特殊な技法を開発しました。
ライトは手作りで、水路に面した場所に廃瓦とともに並べました。
土壁の建物側には水琴窟を配置し揺らめく光とともに素敵な音色が室内まで届きます